ポイ活の極意

ポイ活でも確定申告が必要

ポイ活でも確定申告が必要!対象になるポイント数や不要なケースを解説

最近は、家計節約術の一つとしてポイ活が注目を集めています。たまったポイントのつかい道は多く、ギフト券への換金や割引き、商品への交換などさまざま。

上級者になると、ポイ活で多くの収益を得ている人もいます。しかし、一定以上の収益がある場合、「確定申告が必要? 」「金額はどのくらいが目安? 」と疑問に感じている人も多いですよね。

この記事ではポイ活で一定以上の収益がある人に向けて、確定申告が必要なケースや手続きの手順などをわかりやすく解説します。

ポイ活で確定申告は必要?

ポイ活で確定申告は必要?

最初に結論を述べると、ポイ活で確定申告が必要になるのは、年間の収益が20万円以上の高額になるケースです。しかし、ポイ活で得たすべての収益が確定申告の対象になるわけではありません。

確定申告の必要性は、ポイントがどの所得に分類されるかで異なります。ポイントサイトやアフィリエイトで稼いだポイントは課税対象になるため、一定以上の収益があれば確定申告が必要となります。

一方で家電量販店やドラッグストアなどのショップポイントは、どれだけためてつかっても非課税になります。ショップポイントは確定申告の対象にならないので、どんどんためましょう!

詳細は次章以降で紹介するので、気になる人はぜひこのまま読み進めてください。

ポイ活で確定申告が不要なケース

ポイ活で確定申告が不要なケース

ポイ活で一定の収益を得た場合、次のケースでは確定申告が不要です。

  • 保有しているだけの状態
  • 値引きだけの場合

確定申告が必要になるのは、ポイ活で得た収益が課税になるケースです。上記2つのケースは非課税になるため、確定申告が不要になります。詳しく見ていきましょう。

保有しているだけの状態

ポイ活とは、商品の購入やサービスの利用でポイントをため、さまざまな用途に活用する活動のことを指します。ポイントサービスの種類は多岐にわたりますが、大きくわけると次の5種類に分類されます。

  • キャッシュレス決済
  • 共通ポイント
  • 店舗独自のポイントサービス
  • マイル
  • ポイントサイト

共通ポイントとは、幅広い店舗やサービスで相互利用できるポイントです(Pontaポイントも共通ポイントです)。提携社や会員数も多く、効率的にポイントをためられるキャンペーンも豊富! そのため、ためるポイントを共通ポイントに絞れば、より有効活用しやすくなります!

航空会社のマイルは、クレジットカードや電子マネーと一体型になったカードもあります。一体型カードを利用すると、マイルとほかのポイントの二重取りもできますよ。

たまったポイントのつかい道は、基本的にユーザーに委ねられています。保有しているだけの状態では課税されないため、確定申告は不要です。

値引きだけの場合

サービスの中には、商品の購入時にポイントを利用できるものも多いです。この場合は「値引き」と見なされるため、原則として非課税です。ここで、国税庁の見解を紹介しましょう。

国税庁の「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」では、商取引における値引きは課税対象となる経済的利益に値しないとしています。
出典元:国税庁「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」

確定申告が必要かどうかは、あくまでも「経済的利益」に値するかがポイント。そのため、商品を購入する際に共通ポイントや店舗独自のポイントを利用して値引きを受けても、金額に関わらず確定申告は不要です。

ポイ活で確定申告が必要になるケース

ポイ活で確定申告が必要になるケース

ここからは、ポイ活で確定申告が必要になるケースも解説します。

確定申告が必要かどうかの見極めポイントは、課税対象になる経済的利益を受けたかどうかです。

課税対象(「一時所得」または「雑所得」)になる場合

同じ所得でも、ポイントの種類によって一時所得と雑所得の2つにわけられます。

一時所得に該当するケース
一時所得とは、給与所得のように労働以外で得た所得のことです。代表的なものには、懸賞に当選した際の賞金や競馬の払戻金などが挙げられます。ポイ活で一時所得に該当するのは、次のとおりです。

  • ショッピングで共通ポイントをもらえたケース
  • キャンペーンでポイントを付与されたケース など

これらのポイントは店舗やポイントサイトなどからのプレゼントと見なされるため、一時所得に該当します。Pontaポイントの場合、以下の記事にあるような方法が例として挙げられます。

ただし、付与されたポイントをその場でつかう場合は値引きになるため、課税対象にはなりませんよ!

雑所得に該当するケース
雑所得とは、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得のいずれにも該当しない所得のことです。
ポイ活での雑所得に該当するのは、次のケースで加算されたポイントになります。

  • アンケートの回答
  • 口コミサイトの投稿
  • アフィリエイト
  • ポイントサービスの広告クリック など

ポイントサイトでは、一定のタスクをこなすとポイントが付与されるものもあります。Pontaポイントの場合、以下のようなサービスが該当します。

これらで得たポイントは雑所得に該当するため、確定申告が必要です。

確定申告が必要になる金額

ポイ活で得た収益が一時所得や雑所得に該当しても、すべてが確定申告の対象になるわけではなく、一定の金額に達した場合に確定申告が必要になります。また、金額は給与所得者と給与所得者以外で異なります。

給与所得者は一時所得が年間50万円以上、雑所得が20万円以上で確定申告が必要です。専業主婦や専業主夫で給与所得がない場合は、一時所得が50万円以上、雑所得が48万円以上です。

一時所得には、給与所得者と給与所得者以外の両方に50万円の特別控除枠が設けられています。雑所得にも特別控除が設けられていますが、金額は給与所得の有無で異なります。

給与所得者以外は、2020年の税制改正で基礎控除枠が38万円から48万円に引き上げられました。そのため、年間の雑所得が48万円に達しない場合は、確定申告が不要です。

広告クリックやアンケート回答では1〜数ポイント程度しか付与されないため、確定申告が必要になるほど稼ぐのは至難の業。ポイ活で一定の金額を稼ぐためには、とにかく継続することが大切!

毎日コツコツとポイ活をするなら、ログインやガチャだけでポイントをためられるサービスを利用してみましょう。プラスポイントに登録するだけで30Pontaポイントがもらえます。

楽しい特典も満載なので、ぜひ登録してみてください!(ご利用にはau IDが必要です)

ポイ活で確定申告が必要になった際の手順

ポイ活で確定申告が必要になった際の手順

ポイ活で得た収益が一定以上になると、確定申告が必要です。ここからは確定申告の手順を解説するので、必要になった場合でもスムーズに手続きできるように備えておきましょう。

必要書類の準備

確定申告の際には、さまざまな書類が必要。手続きの期間は限られているため、早めに準備するようにしましょう。確定申告で必要な書類は、次のとおりです。

表:<必要な書類の内容と入手先> 確定申告書:1年間の所得をまとめて納税する金額を報告する書類。入手先:税務署の窓口 国税庁の公式ホームページからダウンロード/ 源泉徴収票(※給与所得者のみ):1年間の所得と納付済みの所得税額が記載された書類。入手先:勤務先/ マイナンバーがわかるもの:「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づいて発行されたカード。入手先:自治体の窓口または各自で保管/ 本人確認書類:申請者本人を確認するための書類。例)運転免許証、パスポート。健康保険証など。入手先:各自で保管

このほかには、ポイ活で得た年間の収益がわかる書類が必要です。自身で収支表を作成する手間はありますが、ポイントサイトにはポイント通帳があるため、このページを参考にして一時所得と雑所得を振り分けましょう。

定期的に記載する習慣をつけておけば、確定申告の直前に慌てることがないのでスムーズですよ。

確定申告書は税務署の窓口で受け取るか、国税庁の公式ホームページからダウンロードして印刷してください。

確定申告書の作成

書類が準備できたら、確定申告書を作成しましょう。申告書は手書きのほかに、国税庁の公式ホームページ「確定申告書等作成コーナー」を利用して入力する方法もあります。

確定申告書等作成コーナーでは数値を入力すると自動計算されるため、手書きに比べて計算する手間が省けます。途中でもデータを保存できるため、一度にすべてを作成する必要はありません。

また、e-taxを利用すると、スマホで申告書を作成できるので便利です。ただし、e-taxではマイナンバーカードを読み取る作業があるため、NFC(電子証明書の読取り機能)またはおサイフケータイに対応しているスマホが必要です。

確定申告書の提出

確定申告書を作成したら、管轄の税務署に書類を提出します。提出方法は、次のとおりです。

  • 税務署の窓口
  • 郵送
  • e-Tax

NFCまたはおサイフケータイに対応した端末であれば、スマホからも送信できます。申告期間は、毎年2月16日~3月15日の1カ月間です。1月1日~12月31日までの1年間分の所得をまとめ、翌年の期日までに申告します。

給与所得者で税金の還付を受けるための還付申告書を提出する場合は、1月1日から申告可能です。

税金の納付

確定申告が終わったあとは、所得に応じた税額を納付します。申告後に納付書や納税通知書などは送付されないので注意しましょう。確定申告書に記載した税額を手元に記録しておきましょう。納付方法は次のとおりです。

  • 口座振替
  • e-Tax
  • クレジットカード
  • コンビニ払い
  • 金融機関の窓口
  • 税務署の窓口

簡単な方法は口座振替。自動的に税額が引き落とされるので振り込み額の誤りも、納付忘れもありません。

納付期日は、毎年4月20日頃が目安です。還付金がある場合は、申告の1~2カ月後に指定口座に振り込まれるので、確認しましょう。

ポイ活で確定申告をスムーズにおこなうコツ

ポイ活で確定申告をスムーズにおこなうコツ

確定申告が初めての人は、書類の作成や手続きに混乱するケースもあるかもしれません。ここからは確定申告をスムーズにおこなうコツを解説するので、ぜひ役立ててください。

ポイ活での収入を記録する習慣をつける

ポイ活では、給与所得のように毎年源泉徴収票が発行されるわけではありません。確定申告の際には収益を記載または入力が必要になるため、日頃から記録する習慣をつけておくようにしましょう。

ポイントサイトやポイントサービスのなかには、履歴が確認できるものもあります。アプリやWebサイトの履歴を転記またはスクショで残しておけば、申告書を作成する際に便利ですよ!

また、一時所得と雑所得の欄は異なるため、あらかじめ区分しておくと確定申告がスムーズになります。

ポイ活以外の副収入がある場合は合算する

一時所得や雑所得で確定申告が必要になるのは、ポイ活だけではありません。次のケースで副収入がある場合は、申告前に合算しておくようにしましょう。

<一時所得>

  • ふるさと納税の返戻品
  • 懸賞で当選した賞金
  • 競馬の払戻金
  • 生命保険の満期返戻金 など


<雑所得>

  • アフィリエイト収益
  • ネットオークションやフリマで得た収益
  • ネットショップでの販売で得た収益 など

株式投資で得た収益は配当所得に該当するため、一時所得や雑所得とは別扱いになります。

事前に「利用者識別番号」と「電子証明書」を取得しておく

e-taxは、スマホ1台で確定申告がおこなえるので便利です。しかし、利用するためには事前に16桁の利用者識別番号と電子証明書を取得する必要があります。利用者識別番号の取得方法は、次のとおりです。

  1. e-Taxソフト(SP版)をダウンロード
  2. ログイン画面からマイナンバーカードを読み取る
  3. 画面の案内にしたがって利用者情報を登録
  4. 「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」で開始届出書を作成・送信
  5. 利用者識別番号取得

電子証明書は、マイナンバーカードを取得すると標準的に組み込まれますよ。

ポイ活の確定申告に関するよくある質問

ポイ活の確定申告に関するよくある質問

最後に、ポイ活の確定申告に関するよくある質問をご紹介します。疑問点がある場合は、実際に確定申告をするまでに解消しておきましょう。

確定申告しないとペナルティがあるのか

一時所得や雑所得が課税対象の金額に達したときは、確定申告が必要です。必要があるのにも関わらず期日までに申告しなかった場合は、無申告加算税のペナルティが課せられる可能性があるので注意しましょう。

金額は、納付税額の5~20%です。また、期日までに納付しなかった場合は、延滞税のペナルティが発生します。延滞税は期限の翌日から納付日までの日数分が加算されますが、金額は年分ごとに異なります。

経費に該当するものはあるのか

ポイ活で得た収益を確定申告する際には、経費として認められるものもあり、収益から差し引くと節税対策につながります。ポイ活で経費になるものは、次のとおりです。

  • インターネット使用料
  • パソコンやスマホの購入代
  • 筆記用具の購入代
  • 書籍代 など

個人事業主の場合は、ポイ活をおこなう部屋の家賃や光熱費も経費として認められることもあります。ただし、計上できる金額はポイ活に要した時間分に限られます。

また、10万円以上のものは一括で計上できないため、減価償却が必要です。ポイ活でつかうものを購入する際には領収書をもらい、本当に経費として計上できるかを見極めなければなりません。

副業が会社にバレるケースはあるのか

副業としてポイ活をおこなっているケースでは、会社にバレる可能性があります。それは確定申告の際に特別徴収を選ぶと、住民税の関係で会社に通知がいく仕組みになっていることが理由。

会社にバレたくない場合は、住民税を特別徴収ではなく自分で納付する方法を選びましょう。自分で納付すると会社に通知がいかないため、バレる心配はありません。

課税・非課税を見分けるポイントとは

国税庁の見解によると、課税・非課税を見分けるポイントはポイ活で得た収益が経済的利益に値するか否かです。しかし、ポイントサービスにはさまざまな種類があるため、実際のところルールは曖昧です。

課税されるタイミングも、付与時や消費時など明確化されていません。専門家の間でも意見がわかれており、議論の最中。今後はルールが細かく決められる可能性もあるため、国税庁の公式ホームページを定期的にチェックするようにしてください。

まとめ:ポイ活は記録に残す習慣をつけよう

まとめ:ポイ活は記録に残す習慣をつけよう

ポイ活を始めて間もないときは収益が少なくても、いずれ確定申告が必要になるまで稼げるようになる可能性があります。確定申告では1年分の所得をまとめて申告するため、日頃から記録を残しておくと手続きがスムーズになります。

ポイ活の記録を取る際には、家計簿アプリを利用すると便利です。アプリの中には、複数のポイントカードを集約できるものもあります。家計とポイントを一括管理し、ポイ活達人を目指しましょう。

※掲載内容は2022年8月1日時点のものです。内容は変更になる場合があります。

ライター:宮川筋肉