ポイ活の極意

ポイントの仕組みを解説

なぜトクするの?安心してポイ活するために知っておくべきポイントの仕組みを解説

ポイントをためてつかう、を繰り返していると日々の買い物がおトクになりますよね。

でもそもそもポイントって誰が発行していて、みなさんはどういう仕組みでポイントを受け取っているか知ってますか?

いまさら聞けないけど、詳細がわからず漠然とした不安を抱えている人のために、ポイントの仕組みからメリット、リスク、その対処法までを解説します。

何気ない疑問ですが、解消すればこれまでよりも安心して楽しくポイ活に取り組めるはずですよ。

ポイントって何?

ポイントって何?

まずは、ポイ活におけるポイントとは一体何なのかについて。ポイントの種類や割引とポイント還元の違いなど、基本的な部分から解説していきます。

ポイントとは?

そもそもポイ活におけるポイントは、購入金額や来店回数などの条件に応じて、企業から提供されるサービスのことです。企業側からすると顧客やリピーターの獲得につながるその仕組みは「ポイントプログラム」や「ポイントシステム」と呼ばれています。

今の時代、ポイントは日常生活に浸透していて、Pontaポイントや楽天ポイント、dポイントなど大手企業によるものから、街中のスーパーや飲食店までさまざまな企業・店舗がポイントプログラムを導入しています。

「共通ポイント」と「独自ポイント」の2種類

ポイントは大きく分けると以下の2つです。

  • 共通ポイント
  • 独自ポイント

簡単に言えば、お馴染みのPontaポイントは共通ポイントで、近所のカフェのポイントは独自ポイントとなります。さらに詳しくそれぞれの特徴を見ていきましょう。

ためやすい・つかいやすい共通ポイント
共通ポイントの特徴は利用しやすい点。業種やサービスに関わらず、提携している店舗ならどこでもためる・つかえる、自由度の高いポイントです。

先にも述べたPontaポイントをはじめ、Tポイント、楽天ポイント、dポイントなどが有名どころで、その多くは1ポイント=1円として利用することができます。知名度の高さやわかりやすいことも利用のしやすさにつながっていると言えそうです。

個性がある独自ポイント
独自ポイントはその名の通り店舗独自のポイントです。店舗独自のものなので、利用できるのも基本的にその店舗のみ。共通ポイントに比べると汎用性は劣ると言えます。

一方で、ポイントの還元率やキャンペーンの内容などもその店舗オリジナル。利用する店舗や利用頻度によっては、1ポイントが1円以上の場合もあります。

割引とポイント還元の違い

価格より安くおトクに買い物ができるポイントですが、同じく買い物がおトクになるものに「割引」があります。実はこの2つは似て非なるものだということを知っていましたか?

実質割引率から割引とポイント還元の違いを説明します。

「割引」のほうがおトク
わかりやすく比較するため、「10%割引」と「10%還元」それぞれで1,000円の買い物をするとします。

「10%割引」の場合は、1,000円の10%=100円が割引され、支払いは900円。割引率はズバリ10%です。

一方、「10%還元」は、1,000円の10%=100円が還元され、支払いは1,000円。次回以降の買い物で100円分の商品と引き換えることができます。ここまでのトータルで割引率を計算すると、100円÷1,100円=約9.1%となります。

つまり、同じ10%でもポイント還元より割引のほうがおトクなのです。

ポイント還元のメリット
実質還元率は「割引」のほうがおトクですが、ポイント還元にもメリットはあります。ポイントは「ためられる」という性質があるので、つかうタイミングを自分で選べるという自由度があります。

また、ポイントの種類によっては投資や運用に充てることができるので、長い目で見ると割引よりも実質的におトクになる可能性もあります。

それぞれの特徴を押さえておくと、どれだけトクしているかを把握できるようになり、買い物が楽しくなるかもしれませんね。

ポイントの仕組み

ポイントの仕組み

冒頭で触れましたが、ポイントプログラムは企業が新規顧客やリピーターを獲得するための仕組みです。

もう少し踏み込んで、ポイントやお金がどのように動いて、誰がどのようにトクしているのか、共通ポイントを例にしながらポイントの仕組みを説明していきます。

「消費者」「店舗」「ポイント事業者」の関係性

まずポイントプログラムに関わる人を整理すると、以下の3者。

  • 消費者
  • 店舗
  • ポイント事業者

消費者は、ポイ活をするみなさん。店舗は、みなさんがポイントをためたりつかったりするお店。ポイントをみなさんに還元してくれるのはポイント事業者です。

ポイントの元手は店舗負担

共通ポイントの多くは1ポイント=1円としておトクをもたらしてくれますが、そもそもその元手となるお金(原資)は誰が負担しているのか。結論から言うと、店舗が負担しています。

共通ポイントの場合は加盟店がポイント事業者に手数料を支払うことになります。その手数料の一部がポイントの原資となっているのです。

店舗が原資を負担するメリット

店舗が原資を負担する主なメリットは以下の3つ。

  • 新規顧客の獲得
  • リピーターの獲得
  • 顧客データの収集

店舗の視点に立ってそれぞれを詳しくみていきましょう。

新規顧客の獲得
大手の共通ポイントには膨大な数の会員がいます。共通ポイントの加盟店になれば、多くの人に「ポイントがためられる/つかえるお店」として認識されます。

これまで顧客ではなかった人に店舗を利用してもらうきっかけが生まれ、新規顧客の獲得につなげることができます。

リピーターの獲得
ポイントの特性はリピーターの獲得と相性が良いです。買い物をすればポイントがたまる。そのたまったポイントが次の買い物への意欲になり、継続利用につながります。

また、共通ポイントの場合は、他店でためたポイントをつかって自分のお店で買い物をしてくれる可能性も生まれるので、顧客の獲得には大きな効果が期待できるのです。

顧客データの収集
先にも書いた通り、大手の共通ポイントの会員数は膨大で、店舗は会員の顧客情報を限定的にではありますが取得することができます。

データはサービス向上のために欠かせないもの。集めたデータを分析して、ニーズにあった質が高いサービスを提供するためにも、ポイントの活用は有効なのです。

その他のポイントの仕組み

その他のポイントの仕組み

ポイ活をする上でこのほかにもポイントをためる方法があります。それは、ポイントサイトとクレジットカード・電子マネーの利用です。共通ポイントや独自ポイントと組み合わせてポイントを二重取りすることもできるので、それぞれの仕組みについても説明していきます。

ポイントサイトの仕組み

ポイントサイトとは、コンテンツの利用や広告の視聴などによりポイントがもらえるウェブサイトのことで、みなさんがお馴染みの「ポイントためる」もこれにあたります。

広告主がポイントサイト側に広告費を払い、広告やコンテンツを提供しています。ユーザーはその広告やコンテンツを利用することで、広告費の一部をポイントとして受け取ることができるという仕組みになっています。

ポイントサイトの仕組み:ポイントサイトに掲載されている広告やコンテンツをユーザーが利用すると、広告主がポイントサイト運営会社に支払う広告費の一部が、ポイントとしてユーザーに還元される

クレジットカード・電子マネー決済の仕組み

クレジットカードでの決済では、クレジットカード会社がユーザーが支払う代金の一部を立て替えていますが、そこで店舗側はクレジットカード会社に対する手数料が発生します。その手数料の一部がポイントとなり、ユーザーに還元されるというのが、クレジットカード決済によるポイントの仕組みです。

電子マネー決済の場合は、電子マネー発行会社と提携店との間に決済代行会社が介していることが多いですが、基本的な仕組みはクレジットカード決済のものと同様です。

クレジットカード・電子マネー決済の仕組み:ユーザーが店舗に支払う代金をクレジットカード会社が建て替えて支払う。その際店舗がクレジットカード会社に支払う手数料の一部が、ポイントとしてユーザーに還元される

ポイント利用のメリット

ポイント利用のメリット

ここからはポイントの仕組みが、ポイ活をするみなさんにとってどのようなメリットをもたらすかについて解説していきます。

みなさんにとってのメリットは次の通りです。

  • 値引きで買い物がおトクになる
  • 質のいいサービスを受けられる
  • ポイ活自体が楽しみになる

それでは各メリットを詳しく解説します。

買い物がおトクになる

最も大きなメリットは、ポイントを活用すれば実質的に買い物がおトクになるということ。

共通ポイントの多くが1ポイント=1円相当として普段の買い物でつかうことができます。還元率についての考え方は先に説明した通りですが、ポイントを利用したほうがより安く買い物をすることができるのです。

au PAYの場合たまったPontaポイントを残高へチャージすることができるので、ポイント=現金と考えることもできそうですね。

質のいいサービスを受けられる

各店舗はポイントカードから得る顧客情報をもとに、よりニーズに合わせたサービスを提供するようになります。つまり、みなさんにとっては自分にあったサービスを受けられるようになるのです。

例えば、ネットショッピングで何かを購入したあと、その後親和性の高い商品がオススメされたり、つかいたいと思うようなクーポンが表示されたり、探さずともほしいものが手に取れるようになるかもしれません。

ポイ活自体が楽しみになる

割引と違いポイントにはためることができる特性があるので、ためること自体が楽しみになることもメリットのひとつとして挙げられます。

考え方次第でポイントは現金と同じくらいの価値を持ちます。貯金が増えれば買い物をする楽しみが増えますし、増えていくこと自体に喜びを感じることもあるでしょう。

同じような感覚でポイントをためる・つかう楽しみがあることは、ポイントならではのメリットではないでしょうか。

ポイント利用のデメリットと対処法

ポイント利用のデメリットと対処法

ポイントを利用すれば買い物が便利でおトクになりますが、以下のようなデメリットがあることも事実です。

  • カードやアプリの管理が煩雑になる
  • 無駄な出費が増えるかもしれない
  • 個人情報漏洩のリスク

とは言え、デメリットと一緒に対処法を把握しておけばリスクは回避できるので、この機会に頭に入れておきましょう。

カードやアプリの管理が煩雑になる

ポイント利用にはポイントカードやアプリが必須です。一方で世の中にはさまざまなポイントであふれていて、ためるポイントの種類が増えたらカードやアプリの数も増えることになります。

カードの場合は物理的な煩わしさがありますし、アプリの場合はスマホのストレージの容量を圧迫してしまうことも考えられます。

それらのストレスの積み重ねや管理の手間で、ポイントのおトクさを感じられなくなったら本末転倒です。

一度自分の買い物の習慣を振り返って、利用するポイントを絞ってみるといいかもしれません。

無駄な出費が増えるかもしれない

ポイントをためることが目的になると、ポイントのために無駄な出費をしてしまうケースもあります。

例えば、ショッピングサイトが先回りして提案する商品やサービスを、本当に必要かどうかを見極めずに購入してしまい、あとで後悔するということも。

ポイントはあくまで手段であり、目的ではありません。現金同様、一定の距離を保って、冷静に向き合う必要があります。

個人情報漏洩リスク

世の中にはポイントに関するさまざまなサービスがあり、中には悪質なポイントサイトが存在し、実際に被害に見舞われる人もいます。

ポイントの利用にはクレジットカードをはじめ重要な個人情報が紐づいていることがほとんど。フィッシング詐欺で個人情報が抜き取られてしまったら実害を被ることになります。

クレジットカードなど個人情報の取り扱いに注意し、利用サイトは検索や口コミで事前にチェックするようにしましょう。

4大共通ポイントの特徴を比較

4大共通ポイントの特徴を比較

ポイントとは何かということから仕組み、メリット・デメリットまで解説してきました。続いては現在のポイントビジネスの大枠を理解するために、以下の「4大共通ポイント」と呼ばれるメジャーな共通ポイントの特徴を解説します。

  • Pontaポイント
  • Tポイント
  • 楽天ポイント
  • dポイント

各ポイントの特徴がつかめるよう、基本情報や主な加盟店・提携サービス、相性の良い決済をまとめました。

ローソンやauと相性ばっちりPontaポイント

三菱商事の関連会社である株式会社ロイヤリティマーケティングが提供するPontaポイント。2020年5月からはKDDIと業務提携を結び、各種auサービスでもためられるようになりました。

主な提携店にローソン、トモズ、ケンタッキーフライドチキン、じゃらんやホットペッパーなどリクルート系のサービスなどがあります。

還元率がUPする決済は「au PAY カード」や「au PAY」。auをつかっていない人でもそれらの決済は利用できますが、au経済圏に入っている人には特にオススメのポイントです。

Pontaポイントについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

Tポイントならファミマやウェル活

TSUTAYAや蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が提供するTポイント。

ポイントプログラムの先駆け的存在のため加盟店が多く、ファミリーマートやウェルシア薬局、ガストをはじめとするすかいらーくグループの飲食店などが主な提携店として挙げられます。

還元率がUPする決済は「ファミマTカード」や「TカードPrime」、「Tマネー」。またウェルシア薬局では毎月20日にポイントが1.5倍に。「ウェル活」と呼ばれ注目されています。

楽天ポイントは楽天サービス利用で還元率UP

楽天ポイントはその名の通り楽天グループ株式会社が提供するポイントで、楽天市場や楽天銀行、楽天モバイルなど楽天グループの各サービスでポイントがたまりやすいことが特徴です。

楽天グループのサービスのほかにも、ファミリーマートやココカラファイン、マクドナルドなど多数の店舗が加盟しています。

還元率がUPする決済も「楽天カード」や「楽天Edy」、「楽天ペイ」と楽天経済圏にいる人にとってはかなりつかい勝手がいいポイントシステムになっています。

ドコモユーザーは断然dポイント

株式会社NTTドコモが運営するdポイント。ドコモの独自ポイントのようなイメージがありますが、ドコモユーザーでなくとも誰でも利用することができます。

主な加盟店はファミリーマートやローソン、じゃらんやホットペッパーなどリクルート系のサービス、メルカリなどが挙げられます。

還元率がUPする決済は「dカード」「iD」「d払い」と、こちらもドコモ経済圏の人にとってはポイントがたまりやすい環境が整っています。

比較して自分に合う共通ポイント選びを

4大共通ポイントの特徴をおおまかに紹介しましたが、最近ではPayPayポイントの勢いも目を見張るものがあります。2022年10月からは共通ポイント化する動きもあり、「5大共通ポイント」になる日も近いかもしれません。

いずれにせよ、それぞれの特徴を押さえて、自分のライフスタイルにあったものを選ぶことが、ポイントの有効活用のためには最も重要です。

まとめ:ツールとしてポイントを活用しよう

まとめ:ツールとしてポイントを活用しよう

後半は共通ポイントにフォーカスしてポイントのメリット・デメリットなど特徴を解説してきましたが、どの企業・店舗も工夫を凝らしておトクな独自ポイントを展開してきています。

独自ポイントはそれぞれに特徴があり、ものによっては共通ポイントと二重取りするなど、テクニックでさらにおトク感を倍増させることも可能です。

一方で、PayPayポイントの躍進など大きく流れが変わることもあるので、ポイントに振り回されないよう時には全体を俯瞰しながら、ポイントを活用していきましょう!

※掲載内容は2022年8月1日時点のものです。内容は変更になる場合があります。

ライター:宮川筋肉